いよいよ解剖の…理科の時間が来てしまった。私は「わ〜〜〜っ!!」と叫び出したい気持ちをやっと抑えてことの成り行きを見守っていた。ふなは、目と目の間、眉間というのだろうか、そこに木づちとドライバー?で衝撃を与えると気絶をする。動かなくなったところで解剖を行うらしい。「さあ。誰かやんなさい。はい。誰かやる人前に来て。」先生が促した。しかし誰も手を挙げる者が出て来ない。私も勿論(誰がやるか!そんな惨いこと!誰もやり手が出なくて中止になればいいんだ)と腹の底で中止になることを望んだ。すると先生が不意に怒り出した。「なんなの!!誰もやる勇気がないの!意気地なし!ふながあんたたちの為に犠牲になってくれるんだよ!しっかり勉強しなくちゃダメじゃないの!ふなの命を無駄にするんじゃない!!」この言葉を聞いて私はショックを受けた。もし私がちょっとの情けでこのふなを川に逃がしていたら、みんなの勉強を邪魔するところだった…。でも…私には到底ふなのとどめを刺すのは出来ない。すると「オレやります」と後ろから声がかかった。一成くんだ。彼は物凄い美形でもないし、背も低かったが、たち振る舞いが堂々としており、実に男らしく、私は当時密かに憧れていたクラスメイトだった。「お!Aくん、さすが。じゃあ前に出てやんなさい。」一成くんは前に出てふなに向かい、思い切って一撃を食らわした。
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